本文へ移動
Season 0|移住準備編Episode 03

【ラビ編】候補から外すために話を聞いた町が、第一希望になった|ふるさと回帰フェアに行って分かったこと

【ラビ編】候補から外すために話を聞いた町が、第一希望になった|ふるさと回帰フェアに行って分かったこと
目次目次を閉じる

移住先を探しているなら、ふるさと回帰フェアには一度行ったほうがいい。

私は今回参加して、かなりそう思った。

物件情報を見るだけでは分からないことが、ものすごく多い。

自治会はどのくらい忙しいのか。消防団は本当に任意なのか。草刈りは年に何回あるのか。冬の光熱費はいくらくらいになるのか。地域によっては水道がどうなっているのか。

そして何より面白かったのが、

候補から外すために最後の確認として話を聞いた地域が、むしろ第一希望になった。

移住先探し、ネットだけでは分からない。

全国の市町村に直接、聞きにくいことを聞ける

ふるさと回帰フェアには、全国からたくさんの自治体や地域の人たちが集まっている。

パンフレットをもらうだけなら、正直ネットでもできる。

このイベントの一番いいところは、市町村単位で、その地域の人と直接話せること。だと思った。

私は今回、かなり聞きにくいことも聞いた。

自治会はどのくらいありますか。草刈りは年何回ですか。参加できないとどうなりますか。消防団は入らないといけませんか。祭りはどのくらい準備しますか。水道は普通の上水道ですか。

こういうことは、移住サイトを眺めているだけではなかなか分からない。

でも実際に住むなら、観光地があるかより、こっちのほうが大事だったりする。

移住コーディネーターがいるブースはかなり話が深かった

今回いろいろなブースを回って感じたのが、移住コーディネーターがいるかどうかで、話せる内容がかなり変わる。ということだった。

役所の方からは、町の特徴や制度、交通、生活環境など、その地域を知るための基本的なことを教えてもらえる。

初めて知る自治体なら、それだけでも十分ありがたい。

ただ、こちらがもう少し具体的に、「実際、この地区ってどうですか?」「移住者は自治会にどのくらい参加していますか?」みたいなところまで聞き始めると、実際に移住して暮らしている人や、日頃から移住者と接しているコーディネーターの話がかなり参考になった。

良いところだけではなく、「隣の地区ではこんなことがありますよ」「私は消防団には入っていませんよ」「ここはこういうところが少し大変です」みたいな話まで聞ける。

これがものすごく助かる。

家賃より「実際に暮らしたらいくらかかるか」が知りたい

特にいいなと思った自治体では、実際に住んでいる人の生活費を資料にしていた。

夏と冬の電気代。ガス代。家賃。

寒い地域なら、冬の光熱費はかなり気になる。

「家賃5万円です」だけでは、実際に毎月いくら必要なのか分からない。冬になったら暖房代が一気に増えるかもしれない。

だから、実際に住んでいる人の生活費をそのまま見せてもらえる資料は、ものすごく分かりやすかった。

さらに、スーパーやイオンなど普段使う場所を地図に載せた生活マップを配っているところもあった。

これもすごくいい。

スーパーまで何分。病院はここ。ホームセンターはここ。駅はここ。

地図を見るだけで、「ここに住んだら、こんな生活になるんだな」というイメージができる。

同じ県でも、市町村によって移住者向けの情報の出し方はかなり違った。

以前、東京交通会館の移住相談窓口で話した方にその資料のことを話したら、「あれ、めっちゃいいですよね!」と言っていた。

やっぱりいいらしい。

自治会は「あるか」より「どのくらいあるか」

今回、私がかなり重視して聞いたのが自治会だった。

田舎に移住する以上、地域との付き合いがあること自体は当然だと思っている。

私も、「自治会には絶対入りたくありません」というわけではない。

ただ、毎週末ずっと地域活動になるのは嫌だ。

話を聞いていて「このくらいならいいな」と思った地域では、草刈りが夏と秋だったり、多くても四半期に一度くらい。その他の活動を含めても、月に一度何かあるかないかくらいだった。

しかも、「参加できないときは別に大丈夫ですよ」「私も消防団には入ってないですよ」という感じ。

これなら地域とも付き合える。

一方、地域によっては祭りの準備が長期間続き、毎週末手伝うこともあるという話も聞いた。消防団にも年代ごとの役割のようなものがある地域もあった。

これは私には合わない。

地域と仲良くしたいことと、休日のほとんどを地域活動に使いたいことは別だ。

欠席をお金で解決できる地域もあった

ちょっと面白かったのが、共同作業に参加できない場合、「不参加なら3,000円」のように決めている地域があったこと。

人によっては嫌かもしれないけれど、私はむしろ分かりやすくていいと思った。

参加できるなら参加する。どうしても無理なら、お金で地域の負担を分担する。

最初からルールになっているなら判断しやすい。

困るのは、「絶対参加とは言っていないけれど、みんな参加しています」みたいな状態。

一番知りたいのは、ルールよりその空気だったりする。

「最低限、上水道があればいい」が最低限ではなかった

今回、かなり予想の斜め上だった話もあった。

私は移住先のインフラについて、「最低限、上水道があればいいかな」くらいに考えていた。

ところが相談した地域の中には、私が話を聞いた地区では一般的な上水道ではなく、地域で水源を管理して各家庭へ水を送る仕組みになっているところもあった。

なるほど。

そこまで確認する必要があるのか。

水そのものが悪いという話ではない。地域で水源を守りながら暮らすことが合う人もいると思う。

ただ私は、水のような生活に絶対必要なインフラまで地域共同体との関係が強くなる暮らしには少し不安を感じた。

これも、ネットで物件を見ているだけだったら気付かなかったと思う。

今後は「水道あり」という文字だけではなく、それは誰が管理している水道なのか。まで確認しようと思った。

移住経験者だからといって相談が上手いとは限らない

ちょっと残念だったブースもあった。

移住して6年ほど経つ方と話したのだけれど、その人自身の移住体験をひたすら話す感じで、こちらが何をしたいのかを聞く場面がほとんどなかった。

こちらから途中で話を入れて、なんとか質問する。また話を聞く。その繰り返し。

もちろん実際に移住した人の話そのものは貴重だ。

でも、それだけならYouTubeで移住体験動画を流してもいい。

せっかく直接相談できるなら、「どんな暮らしがしたいですか?」「何が心配ですか?」「地域との付き合いはどのくらいまで大丈夫ですか?」と聞いたうえで、「それならこの地域が合いそうです」と話してもらえるほうが、私はありがたい。

今回いろいろなブースを回ったからこそ、その違いもかなり感じた。

担当者に魅力を感じなかったら、それも一つの情報

ふるさと回帰フェアには全国から多くの自治体が集まる。

移住したい人に地域の魅力を知ってもらう、大きな機会だと思う。

だから、その場で話した担当者にまったく魅力を感じなかった場合、それだけでその町を諦める必要はないけれど、少し立ち止まって考える材料にはしていいと思った。

たまたま担当者との相性が悪かっただけかもしれない。別の移住コーディネーターと話したら、印象が全然違うかもしれない。

だから一人の担当者だけで町全体を判断するのはもったいない。

でも、移住者に来てもらうためのイベントで、こちらの話をほとんど聞かず、地域の魅力もよく分からなかったなら、「移住後の相談体制はどうなんだろう?」と考えるきっかけにはなる。

候補から外すつもりだった町が、第一希望になった

そして今回、一番大きかったこと。

実は、「たぶんここは候補から外すかな」と思っていた地域があった。

すでにいくつか懸念があって、今回は候補から完全に外す前の最終確認くらいのつもりでブースへ行った。

ところが話を聞いてみたら、懸念していたことが全部解決した。

「あれ?」と思った。

さらに話を聞く。

「あれ、むしろかなりいいのでは?」となった。

そして帰る頃には、第一希望になっていた。

何が起きるか分からない。

もしネットで調べただけで、「ここはやめよう」と候補から消していたら、この地域の良さには気付かなかった。

「いいと思っている町」だけを回るのはもったいない

だから、これからふるさと回帰フェアへ行く人には、気になっている地域だけではなく、一度候補から外しかけた地域にも行ってみてほしい。と思う。

もちろん、話を聞いた結果、「やっぱりここは違うな」となることもある。

それも大きな収穫だ。

今回の私は実際に、「これは自分たちには合わない」とはっきり分かった地域もあった。

逆に、「ここはないと思っていたけど、めちゃくちゃいい」になった地域もあった。

つまり、ふるさと回帰フェアは移住先を探す場所というより、自分の思い込みを確認しに行く場所なのかもしれない。

ネットで調べる。物件を見る。Googleマップを見る。移住サイトを見る。

それでも最後に分からないところを、人に聞く。

特に自治会、水、消防団、祭り、冬の生活費、人との距離感。こういう「住んでから困りそうなこと」ほど、直接聞いたほうがいい。

今回かなり候補地の順位が変わった。

移住先探しはまだ続く。

でも少なくとも、「なんとなく良さそう」だけで土地を買うことはなさそうだ。

聞けば聞くほど条件が増えている気もするけれど、それでいい。

住んでから知るより、今知ったほうがずっと安い。