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Season 0|移住準備編Episode 01

別荘って、冬も普通に住めるの? 那須の安い家を見て気づいたこと

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那須の物件を見始めて、数日。

広い。

安い。

森がある。

薪ストーブがある。

ウッドデッキがある。

ここまで来ると、もうかなり気分は盛り上がっていた。

前日は、薪ストーブについて調べているうちに、

薪。

薪棚。

薪割り。

薪を乾燥させる場所。

まで考え始めている。

まだ家も決まっていないのに。

完全に順番がおかしい。

そんな私が、翌日になってようやく気づいた。

ところで別荘って、冬も普通に住めるの?


また、安い物件を見つけてしまった

その日も私は、那須の物件を見ていた。

するとまた、

「これ、安くない?」

という家が出てくる。

数百万円。

ログハウス風。

森の中。

いかにも「那須の別荘」という雰囲気。

こういう家を見ると、つい思ってしまう。

これなら買えるんじゃない?

少し直せば住めるんじゃない?

冬は薪ストーブを焚けばいいんじゃない?

頭の中では、もう犬と猫まで引っ越している。

しかし。

物件情報を読んでいると、気になる言葉が出てきた。

「別荘利用」

……別荘利用?


家なんだから、一年中住めると思っていた

この頃までの私は、

家は家。

別荘も家。

という認識だった。

だから当然、

そこに住もうと思えば、一年中住める

と思っていた。

ところが調べ始めると、

どうも話はそんなに単純ではないらしい。

冬はほとんど使わない前提の建物。

寒い時期には水を抜いておく家。

道路状況によっては冬の出入りが大変な場所。

そもそも定住向きではない別荘地。

そんなものがある。

私はそこで初めて、

「住める家」と「一年中暮らしやすい家」は違う

ということに気づいた。


「水抜き」という言葉を知る

そしてこの頃から、頻繁に目にするようになった言葉がある。

水抜き。

最初は、

何の水を抜くんだろう。

くらいだった。

調べてみると、

冬の寒さで水道管が凍結しないように、

使わない期間は配管の水を抜く。

なるほど。

……。

待って。

そんなに寒いの?

それまで私は、

那須=高原=夏が涼しい

くらいの感覚で見ていた。

でも当然ながら、

夏が涼しい場所は、

冬も寒い。

当たり前である。

私はまた一つ、ものすごく基本的なことを学んだ。


夏の涼しさと、冬の暮らしやすさは別だった

標高が高い。

夏は快適。

これは大きな魅力だった。

暑いのが苦手な私には、かなり強い。

でも。

標高が上がる。

気温が下がる。

冬は寒い。

道路が凍る。

雪が降る。

水道管が凍ることもある。

……。

夏の涼しさだけもらうことはできないらしい。

非常に残念である。

自然というものは、

そこだけ都合よく切り取らせてくれない。


標高を見る癖がついた

ここから、物件情報を見るときに、

新しい項目を見るようになった。

標高。

500メートル。

600メートル。

700メートル。

それまでは、

「山の上か、下か」

くらいにしか思っていなかった。

でも少しずつ、

夏はどれくらい涼しいのか。

冬はどれくらい寒いのか。

雪はどの程度なのか。

道路はどうなるのか。

そんなことまで想像するようになった。

そして、

高ければ高いほど最高

というわけでもなさそうだと分かってくる。

夏の涼しさは欲しい。

でも冬に閉ざされたくはない。

欲深い。


「定住可」まで確認するようになった

さらに物件サイトを見ていると、

定住可

という表記があることにも気づいた。

逆に考えると、

わざわざ「定住可」と書いてあるということは、

定住向きではない場所もあるということだ。

ここでまた検索が始まる。

この別荘地は一年中住める?

住民票は置ける?

道路は冬も管理される?

水道は通年使える?

ゴミはどうする?

スーパーは?

……。

もう家の写真を眺めているだけでは済まなくなってきた。


温泉があるから最高、でもなかった

那須周辺には、温泉のある別荘地もある。

最初は当然、

温泉付き!? 最高では?

と思った。

しかし前日に、温泉権や管理費という現実を知ったばかりである。

さらに、

別荘地によっては利用形態や規約が違う。

場所によっては、

「ここは自分たちの暮らし方とは合わないな」

と思うところも出てきた。

つまり、

温泉がある。

森がある。

安い。

それだけでは決められない。

だんだん、

物件の見方が変わってきた。


安い物件を見つけても、すぐ喜ばなくなった

数日前までは、

500万円。

600万円。

そんな値段を見ると、

「安い!」

と反射的に思っていた。

でも、この頃になると、

少しだけ慎重になる。

安い。

で?

冬は?

水道は?

道路は?

管理費は?

定住できる?

直すところは?

売るときどうする?

一気に質問が増えた。

夢がなくなったわけではない。

むしろ、

本気で暮らすことを考え始めたからこそ、

確認することが増えたのだと思う。


「別荘」と「移住」は、似ているようで違う

ここでようやく、

私の中で少し整理がついた。

別荘というのは、

たまに滞在するための家

として作られているものも多い。

一方で私は、

そこで犬や猫と暮らし、

仕事をして、

冬も過ごし、

日常生活を送ろうとしている。

求めているものが違う。

同じ「森の中の家」でも、

週末だけ使うのと、

一年中暮らすのとでは、

見るべきところが全然違う。

この頃から私は、

「素敵な別荘」

ではなく、

「住める別荘」

を探すようになった。


それでも、森の家への憧れは消えなかった

冬は寒い。

水道は凍るかもしれない。

管理費もある。

道路も確認しないといけない。

別荘地ごとにルールも違う。

面倒である。

非常に面倒である。

それでも。

森の中の家を見ると、

やっぱり惹かれる。

大きな窓。

ウッドデッキ。

木漏れ日。

薪ストーブ。

犬が庭を走る。

そういう暮らしは、まだ魅力的だった。

現実を知ったから諦めるのではなく、

「じゃあ、ちゃんと住める場所を探そう」

という方向に変わった。


そして、那須高原そのものを調べ始める

ここまで来ると、

物件だけを見ていても仕方がない。

そもそも。

那須高原って、

どんな場所なんだろう。

どこまでが那須高原?

別荘地はいくつある?

どこが定住向き?

標高は?

買い物は?

病院は?

交通は?

私はようやく、

一軒一軒の家ではなく、

「那須高原という地域そのもの」

を調べ始めることになる。

そして。

ここから私は、

さらに深い沼へ入っていく。

別荘地という沼へ。


数日前まで海を見ていた

振り返ると、

ほんの少し前まで私は、

海の近くに住みたいと思っていた。

それが今では、

標高を調べ、

凍結を心配し、

薪を乾かす場所を考え、

冬でも住める別荘地を探している。

どうしてこうなった。

移住先はまだ決まっていない。

なのに、

調べる項目だけはものすごい勢いで増えていた。

私の移住計画は、

この日から少しだけ、

「夢の家探し」から「本当に暮らせる場所探し」へ

変わり始めたのだと思う。

とはいえ。

翌日にはまた、

楽しそうな別荘サイトを見つけてしまうのだけれど。

人間、そう簡単には学ばない。

🌲❄️🔥