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Season 0|移住準備編Episode 01

斜面を見たあと、774坪の平坦地に目が止まった

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前日まで、私は那須の土地をいろいろ見ていた。

森の斜面。

石積みのある土地。

道路より一段高い敷地。

写真として見るぶんには、どれも雰囲気がある。

でも、

「ここに家を建てて暮らす」

となると、急に考えることが増えた。

車はどうやって入る?

犬は走れる?

資材は運べる?

年を取っても大丈夫?

そんなことを考えているうちに、私は少しずつ、

土地は平らなほうが楽なのでは?

と思い始めていた。


そして、今度は平坦な土地が気になった

そんなときに見つけたのが、

那須町高久丙の土地だった。

価格は500万円。

土地面積は、

2,560平方メートル。

坪にすると、

約774坪。

……。

774坪。

少し前までなら、

数字が大きすぎて、

どれくらいなのかよく分からなかったと思う。

でもこの頃の私は、

犬の庭。

畑。

薪置き場。

森。

家。

駐車場。

なんてことを考え始めていた。

だから、

774坪という数字を見て、

「広すぎる」

ではなく、

「いろいろできそう」

と思ってしまった。

人間の感覚というものは、

一週間くらいでも簡単に壊れる。


写真を見ると、ちゃんと平らだった

さらに気になったのが、

土地の形だった。

写真を見る限り、

かなり平坦。

道路との大きな高低差もなさそう。

森の斜面を見続けたあとだったから、

それだけで妙に安心感があった。

平らだ。

家を建てやすそう。

車も入れそう。

庭も作りやすそう。

犬も走れそう。

畑もできそう。

それまで土地の写真を見ても、

「木がきれい」

「森っぽい」

くらいしか見ていなかったのに、

この頃になると、

どう使えるか

を見るようになっていた。


774坪あったら、何ができる?

当然、

妄想が始まる。

まず家。

その前に駐車場。

犬のための庭。

少し離れたところに畑。

薪棚。

木も残したい。

全部を伐採する必要はない。

敷地の端に雑木林を残せば、

森っぽさも出る。

……。

いいじゃないか。

地図も引いていない。

測量もしていない。

まだ現地にも行っていない。

なのに、

頭の中ではすでに敷地計画が始まっている。


「広さ」だけじゃなく、道路も見るようになった

物件情報を見ると、

位置指定道路に面している。

私道負担を含む。

そんな言葉が書いてある。

少し前の私なら、

正直、

読み飛ばしていたと思う。

でも土地探しを始めると、

道路のことが気になってくる。

家を建てるなら、

道路は重要。

車が入れる。

工事車両が入れる。

生活できる。

当たり前なのだけれど、

土地だけを見るようになって、

ようやくその当たり前を意識するようになった。


水道も、勝手についてくるものではなかった

さらに、

備考には

井戸または公営水道引込可

という記載。

ここでも、

少し前までとは見方が違った。

以前の私は、

水道なんて、

家を建てれば普通に使えるものだと思っていた。

でも。

土地の場合は、

「水道が来ている」と「水道を使える」は同じではない。

引き込む。

井戸を掘る。

費用がかかる。

どこまで本管が来ているのか確認する。

そんなことまで見る必要がある。

土地の値段が500万円でも、

家を建てるまでに、

ほかのお金がいくらかかるのか。

少しずつ、

そこまで考えるようになっていた。


地目は「山林」

そして、

地目を見る。

山林。

写真は、

かなり平坦。

見た感じは、

「普通に家を建てられそうな広い土地」

に見える。

でも登記上は山林。

ここでも私は、

土地には

「見た目」と、

「書類上の情報」

の両方があることを知っていく。

写真だけ見て、

「ここならいけそう!」

では済まない。

用途地域。

都市計画。

接道。

地目。

インフラ。

知らない言葉が、

また増えていった。


それでも、平坦地の魅力は強かった

ただ。

高低差のある森を見たあとだったからこそ、

平坦地の魅力はかなり強かった。

家を建てる場所がある。

犬が走れる。

庭が作れる。

車を置ける。

薪を割れる。

畑もできる。

そして、

周囲に木を残せば、

森の雰囲気も作れるかもしれない。

ここで私の中に、

一つ新しい理想が生まれた。

「最初から森の中に家を建てる」必要はないのかもしれない。

平坦な土地に家を建てて、

必要な木を残す。

あるいは、

あとから植える。

それでも、

森の暮らしは作れる。


森を探すより、森を作る?

これは、

自分でもちょっと意外だった。

私はずっと、

完成した森の中に、

理想の家を探していた。

でも。

土地が平らで、

生活しやすくて、

ある程度広いなら。

そこに少しずつ木を植えて、

庭を作って、

鳥が来る場所を作って、

自分たちで森っぽくしていく。

それもありなのでは?

この発想は、

後になってかなり大きくなっていく。


土地を見る目が、また一段変わった

数日前まで。

私は、

家の外観を見ていた。

次に、

森を見た。

その次に、

斜面や石積みを見るようになった。

そしてこの日は、

平坦地。

道路。

水道。

土地の広さ。

地目。

そんなものを見るようになっていた。

同じ物件サイトを見ているのに、

一週間前とは、

目に入る情報がまるで違う。

家探しをしていたはずなのに、

気がつけば、

「家を建てやすい土地とは何か」

を考え始めていた。


774坪を見て、感覚がさらに壊れる

それにしても。

774坪。

やっぱり広い。

東京で暮らしていると、

家は平方メートルで考える。

70平方メートル。

80平方メートル。

100平方メートル。

それが那須の土地を見ているうちに、

500坪。

700坪。

1000坪。

そんな数字を普通に見るようになっていた。

そして、

774坪を見て、

「これくらいあれば、ちょうどいいかも」

などと思い始める。

もう完全に、

感覚が那須仕様になっている。


この頃から、土地探しが本気になっていった

まだこの時点では、

物件を眺めているだけだった。

問い合わせも、

もう少しあと。

現地にも行っていない。

でも。

「この家いいな」

だけではなく、

「この土地なら何ができる?」

と考えるようになった。

そこから、

土地探しが少しずつ、

現実のものになっていった気がする。

森。

斜面。

石積み。

平坦地。

道路。

水道。

広さ。

土地というものは、

ただの地面ではなかった。

そこでどんな暮らしを作れるかを決める、最初の土台だった。

そして私は、

次にとうとう、

その土地の上に

理想の家を置き始める。

もちろん、

頭の中で。

まずは、

間取りから。

🌲🏠📐