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Episode 01

土地より先に「自治会」を見たほうがいいかもしれない|田舎移住を調べて分かったこと

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田舎の道と自治会掲示板、草刈り道具を見ながら移住先の地域ルールを考えるラビのイメージ

移住先を探している。

畑ができる土地がいい。

DIYもしたい。

できれば隣の家とは少し離れていて、犬や猫と暮らして、薪ストーブも置きたい。

そんなことばかり考えながら物件を見ていた。

土地の広さ。

家の状態。

水道。

道路。

建築できるかどうか。

それだけでも調べることは山ほどある。

ところが、移住について調べている途中で、知らない言葉が出てきた。

「道普請」

なんだそれ。

調べてみると、どうやら田舎暮らしでは、土地や家だけではなく、

「その家がどんな地域に所属しているのか」

まで見たほうがよさそうだった。

道普請って何だ

道普請は、地域の人たちで道路や水路などを整備する共同作業のこと。

草を刈ったり、側溝の土砂を取ったり、道路や水路を手入れしたりする。

今でも地域住民による道普請を制度として支援している自治体があり、道路・農道・林道・水路・河川などの草刈りや修繕が行われている。

最初にこれを知ったとき、

「道路って行政が管理するんじゃないの?」

と思った。

もちろん行政が管理する道路もある。

でも田舎では、地域住民が道路周辺や水路などの維持管理に関わっているところも珍しくないらしい。

なるほど。

田舎で暮らすということは、家だけ買えば完成ではないようだ。

草刈りだけでは終わらなかった

そこから自治会について調べ始めた。

すると出てくる。

草刈り。

側溝掃除。

水路清掃。

地域の一斉清掃。

祭り。

防災活動。

ごみ集積所の管理。

役員。

回覧板。

さらに知らない言葉が出てきた。

「出不足金」

地域の共同作業などに参加できなかった場合、代わりに一定のお金を負担する仕組みだ。

そういう仕組みがあること自体、東京で暮らしているとほとんど意識することがない。

土地を探し始めたとき、

「固定資産税はいくらかな」

「水道を引くといくらかな」

みたいなことは考えていた。

でも、

「この家に住んだら、年間何回草刈りに参加するんだろう」

なんて考えたことがなかった。

自治会費だけ聞けばいいわけでもない

最初は、

「じゃあ自治会費を聞けばいいのか」

と思った。

でも、それだけでも足りなさそうだ。

年間数千円なのか、数万円なのか。

ほかに負担金があるのか。

草刈りは年1回なのか、何回もあるのか。

役員は10年に一回なのか、世帯数が少なくて頻繁に回ってくるのか。

祭りや地域行事への参加は自由なのか。

欠席しても特に何もないのか。

出不足金があるのか。

同じ自治体の中でも、自治会によって全然違うことがある。

実際、移住情報を調べていると、小さな自治会では毎年何らかの役が回ってくるという事例もあれば、地域活動が比較的少ないところもあった。

つまり、

「この市は地域付き合いが濃い」

だけでも判断できない。

見るべきなのは、もっと小さい単位なのかもしれない。

自治会に入らなければ全部解決……でもない

ここで一度、

「自治会って入らなければいいのでは?」

とも考えた。

自治会は一般に住民が自主的に組織する任意団体で、加入を強制するものではないと案内している自治体も多い。

じゃあ入らなければいい。

……と単純にもいかなそうだった。

特に気になったのが、ごみ集積所。

ごみそのものは行政が回収していても、ごみ集積所の掃除や維持管理を地域の人たちが行っているケースがある。

自治会に加入していないから即ごみを出せない、という単純な話ではない一方で、集積所を利用するなら維持管理について地域と相談したり、清掃などに協力したりする必要がある場合がある。

これも結局、

「入るか、入らないか」だけではなく、その地域がどういう仕組みで暮らしを維持しているのか

を知る必要があるということだと思う。

地域付き合いそのものが嫌なわけではない

ラビは、地域の人と一切関わらずに暮らしたいわけではない。

挨拶はしたい。

地元のお店にも行きたい。

直売所も使いたい。

困ったときには助け合えたらいい。

地域のお祭りだって、面白そうなら参加してみたい。

草刈りも年に何回かなら、

「今日は村の草刈りの日か」

くらいで参加すると思う。

ただ、

毎週何かある。

断りにくい。

家の中のことまで知られている。

誰がどこへ行ったかまで把握される。

そういう暮らしになると、ちょっと違う。

地域とつながりたい。

でも自宅に帰ったら、自分たちの時間に戻りたい。

ラビが欲しいのは、そのくらいの距離感だ。

「田舎だから仕方ない」で片付けたくない

田舎へ移住するなら地域活動は当たり前。

そういう考え方もあると思う。

道路や水路を地域のみんなで維持してきた場所なら、新しく来た人だけ何もしないのも違う。

そこは理解できる。

一方で、

「田舎なんだから全部受け入れろ」

とも思わない。

暮らし方は地域によって違う。

だったら、自分たちに合う地域を探せばいい。

草刈りが年2回くらいなら問題ない人もいる。

地域行事をたくさん楽しみたい人もいる。

できるだけ静かに暮らしたい人もいる。

大事なのは、

住んでから初めて知るのではなく、住む前に知ること

なんじゃないかと思う。

物件を見るとき、家以外にも聞くことが増えた

ということで、今後の内見では家だけを見ないことにした。

聞きたいことが増えた。

この家は何区なのか。

自治会費はいくらなのか。

草刈りや道普請は年間何回なのか。

欠席したら出不足金があるのか。

役員は何年に一度くらい回ってくるのか。

祭りや地域行事はどの程度あるのか。

自治会に入らなかった場合、生活で困ることはあるのか。

最近移住してきた人はいるのか。

そしてできれば、

実際にそこへ移住した人に話を聞きたい。

役所や不動産屋から聞く話も大切だけれど、

「実際に住んでみてどうですか?」

は、やっぱり住んでいる人にしか答えられない。

市町村を調べるだけでは足りなかった

移住先探しを始めたころは、

「どの県がいいかな」

「どの市町村がいいかな」

と考えていた。

でも調べれば調べるほど、単位が小さくなっていく。

県。

市町村。

地域。

自治会。

そして最後は、

その物件の周囲にどんな人が住んでいるか。

ここまで見ないと、本当の意味で「そこで暮らす」ということは分からないのかもしれない。

もちろんネットで全部は調べられない。

自治会費や活動内容を公開していない地域も多いし、「断りやすい雰囲気か」なんてネットにはまず書いていない。

だから最後は現地で聞く。

物件を見る。

周囲を見る。

人と話す。

そうやって決めていくことになりそうだ。

家の間取りを見るだけだった内見が、だんだん社会調査みたいになってきた。

でも土地を買ってから、

「こんなの聞いてない!」

となるよりはいい。

ぴちゅ森の土地探し。

次からは土地の広さだけではなく、

自治会も見ます。

道普請という言葉すら知らなかったのに、また確認項目が増えてしまった。