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2026年7月9日ごろ。
移住について調べ始めたものの、まだ「どこかに家を買って引っ越す」というところまでは気持ちが固まっていなかった。
そもそも、一度も暮らしたことのない土地にいきなり家を買って大丈夫なのだろうか。
旅行で気に入る場所と、実際に暮らしやすい場所は違う。
夏は最高でも冬になったら猛烈に寒いかもしれないし、静かでいいと思った場所が、住んでみたら買い物に不便すぎるかもしれない。
だったら、家を買う前に数か月暮らしてみたらいいのでは?
そんなことを考え始めた。
最初に調べたのはホテルだった。
閑散期ならリゾートホテルに長期滞在できるのではないか。
年末年始の高い時期は東京の自宅で過ごして、1月15日くらいから数か月ホテル暮らしをする。
そんな案まで考えていた。
ところが、大人二人+犬猫+仕事道具を持って移動すると考えると、普通のホテルの客室は意外と狭い。
45㎡くらいの部屋を見ながら、
「……これ、数日ならいいけど何か月も住むのは無理じゃない?」
となった。
ベッドがドーン。
その横にテーブル。
以上。
旅行なら快適でも、ここで毎日仕事をして、犬猫と暮らして、荷物を置いてとなると話が違う。
そこで調べ始めたのが、貸別荘や家具付き賃貸だった。
そして、その途中で知った言葉が、
「バケーションレンタル」
だった。
バケーションレンタルって何?
簡単にいうと、個人や法人が所有している別荘やリゾートマンションを、オーナーが使っていない期間だけ借りて滞在する仕組みだ。
ホテルのように宿泊するためだけにつくられた建物とは少し違い、実際にオーナーが別荘として所有している家を借りられるものもある。
一戸建てを丸ごと借りられるため、家具や家電、キッチンが揃っている物件も多い。
つまり、
「旅行に行く」というより「しばらくそこに住む」
に近い。
これを知ったとき、
「これだ!」
と思った。
一般的な賃貸住宅を数か月だけ借りようとすると、家具家電をどうするのかという問題が出てくる。
冷蔵庫を買って、洗濯機を買って、ベッドを買って。
数か月後にはまた引っ越す。
面倒くさい。
でもバケーションレンタルなら、家具家電や食器、調理器具、寝具などが用意されている物件もある。
到着した日から、かなり「生活」に近い状態で暮らせる。
軽井沢にはバケーションレンタルがたくさんあった
この頃、私がよく眺めていたのが「軽井沢バケーションレンタル」というサイトだった。
軽井沢は昔から別荘地として発展してきたため、庭付きの家や森の中の別荘、建築家が設計した個性的な家などがたくさんある。
その中には、1泊単位だけでなく、1か月以上借りられる別荘もある。
サイトを眺めているだけでも楽しかった。
森の中の家。
ウッドデッキのある家。
大きな窓から木々が見える家。
東京のマンション暮らしとはまったく違う。
「ここで一か月暮らしたら、どんな感じなんだろう」
物件を探しているというより、もはや別の人生を試着しているような気分だった。

ただし、お値段はかわいくない
そして当然ながら、問題もあった。
高い。
そりゃそうだ。
借りるのは普通のワンルームではない。
軽井沢の別荘である。
現在掲載されている1か月利用可能な物件を見ても、月30万円台から始まり、40万円、50万円、70万円、80万円といった物件が並ぶ。
さらに軽井沢には、恐ろしいものがある。
夏である。
たとえば「南原ログハウス」という物件は通常月30万円のところ、7月は50万円、8月は70万円。
一方、「上ノ原スクエア」は通常月50〜60万円ほどだが、7月120万円、8月150万円、9月120万円という設定になっている。
夏の軽井沢、強い。
めちゃくちゃ強い。
軽井沢は避暑地なので、当然夏がハイシーズンになる。
逆に考えれば、
「高い時期には行かなければいいのでは?」
とも思った。
秋から春まで軽井沢に住んで、夏は別の涼しい土地へ行く。
あるいは数か月ごとに拠点そのものを変える。
家を一軒買ってそこにずっと住む必要はない。
そんな発想が、この頃からどんどん膨らんでいった。
気になる場所には、まず住んでみればいい
さらに調べていくうちに、
「今年いきなり数か月借りる必要もないな」
と思うようになった。

気になる土地を見つけたら、まず数泊してみる。
周辺を歩く。
スーパーを見る。
夜の静けさを確認する。
朝の景色を見る。
それで気に入ったら、翌年に一か月、二か月と長く滞在してみる。
実際、軽井沢バケーションレンタルでも、1か月以上の利用者向けに希望すれば事前の現地見学ができる仕組みになっている。
これはかなり理にかなっていると思った。
移住というと、
「移住先を決める」
「家を買う」
「引っ越す」
と、一気に人生を決めなければならないような気がしていた。
でも本当は、
泊まってみる。
少し暮らしてみる。
それから決める。
でもいいのだ。
この頃の私は、キャンピングカー、ホテル、家具付き賃貸、貸別荘、バケーションレンタルと、思いつくものを片っ端から調べていた。
完全に迷走している。
ただ振り返ってみると、この迷走は無駄ではなかった。
「住む場所は一つでなくてもいい」
「家は必ずしも所有しなくていい」
「気になる土地には、まず暮らしてみればいい」
今の私が移住先を考えるときの基本になっている考え方は、この頃にだいたい生まれている。
そして何より。
このとき私は、いろんな貸別荘の写真を何十軒も眺めていた。
森。
広い庭。
ウッドデッキ。
大きなダイニング。
何人かで泊まれる寝室。
犬と過ごせる場所。
当時はただ、
「こんなところに暮らせたらいいな」
と思っていただけだった。
まさかその二か月後。
自分たちが「泊まる側」ではなく「泊める側」の家を考え始めているとは、このときの私はまだ知らない。
記事の主なトピック
- 移住先をいきなり買うことへの不安
- 旅行で好きな場所と、実際に暮らしやすい場所は違う
- 夏冬の気候、買い物、生活動線は住んでみないとわからない
- 最初はホテル長期滞在を検討
- 閑散期のリゾートホテルに数か月住めないか考えた
- ただし、大人2人+犬猫+仕事道具だと客室は狭い
- 貸別荘・家具付き賃貸へ興味が移る
- 家具家電を自分で揃えずに済む
- 数か月だけ暮らすには便利そうと気づく
- 「バケーションレンタル」という存在を知る
- 別荘や住宅を一定期間借りて暮らすスタイル
- ホテルよりも「旅行」ではなく「生活」に近い
- 軽井沢のバケーションレンタルを集中して調べる
- 森の中の別荘、ウッドデッキ、大きな窓などに惹かれる
- 「ここで一か月暮らしたら?」と妄想が膨らむ
- 貸別荘は基本的に高い
- 普通の賃貸より料金は高め
- とくに軽井沢のような人気別荘地は高額
- ハイシーズンはさらに料金が上がる
- 避暑地の軽井沢は夏が高い
- 「高い季節を避けて暮らす」という考えも生まれる
- 移住前に“試し住み”する発想へ
- 数泊→一週間→一か月と徐々に滞在期間を伸ばす
- 気に入った土地だけ長く試す
- 「家を買わなくてもいい」という価値観の変化
- 所有せず、その土地で暮らしてみてから決めてもいい
- 移住を一発勝負にしなくていいと気づく


