本文へ移動
Season 0|移住準備編Episode 01

3000㎡で450万円!……でも家を建てられない? 安い土地には理由があった

目次目次を閉じる

8月に入った頃。

私はすっかり、

「完成した家を買う人」から「土地を買って家を作る人」

になっていた。

2000㎡の土地を想定して、

平屋を建てる。

犬のドッグランを作る。

猫の庭を作る。

畑。

薪棚。

雑木林。

そんなマスタープランまで作ってしまった。

もちろん、

まだ土地は持っていない。

でも頭の中では、

かなり完成していた。

そんな状態で物件サイトを見ていると。

見つけてしまう。

約3000㎡。

そして、

450万円。

……。

安くない?


2000㎡欲しかった私に、3000㎡が出てきた

少し前まで、

2000㎡なんて、

ものすごく広い土地だと思っていた。

ところが、

その2000㎡に、

家。

犬。

猫。

畑。

薪棚。

森。

なんて配置していたら、

土地の広さに対する感覚がおかしくなった。

そこへ、

3000㎡。

私には、

こう見えた。

「1000㎡も余る!」

いや。

普通は、

「3000㎡もある」

と考えるところだと思う。

でも、

すっかり土地開拓モードになっていた私には、

余白まで魅力的だった。


しかも450万円

そして価格。

450万円。

もちろん、

450万円は大金である。

でも。

那須の土地を見続けていると、

また価格感覚がおかしくなる。

東京のマンション価格を見慣れたあとに、

3000㎡の土地が450万円。

どうしても、

「安い」

と思ってしまう。

家を建てても、

まだ予算を残せるのでは?

庭も作れる。

薪ストーブも入れられる。

もしかしたら、

畑もかなり広くできる。

……。

また夢が膨らむ。


でも、今度の私は少しだけ成長していた

7月の私なら、

写真を見て、

面積を見て、

値段を見て、

「いいじゃん!」

で終わっていたと思う。

でも。

不動産会社に問い合わせることを覚えた。

接道という言葉も知った。

インフラも見るようになった。

だから、

今回は聞いてみる。

この土地、本当に家を建てられますか?


返ってきた答えは、想像していたものと違った

物件情報だけを見ていると、

広い森の土地。

それだけだった。

でも問い合わせてみると、

土地の「その先」が見えてきた。

道路。

傾斜。

水道。

電気。

建築できる場所。

つまり、

そこに暮らすために必要なもの。

写真では分からない。

面積にも出てこない。

価格にも書いていない。

そういうものが、

一気に出てきた。


「接道なし」が強すぎる

まず、

道路。

土地へ行ける道があれば、

それでいいと思っていた。

ところが、

住宅を建てるとなると、

建築上の接道

という問題がある。

この土地では、

そのあたりが簡単ではなかった。

車で近くまで行ける。

人が通れる。

それでも、

「じゃあ普通に住宅を建てられますね」

とはならない。

ここで、

不動産用語の勉強会で覚えた

接道

が、

いきなり実戦投入された。


3000㎡あっても、全部使えるとは限らない

さらに、

土地の状態。

写真では、

森。

広い。

自然いっぱい。

それだけに見える。

でも、

傾斜がある。

ということは、

3000㎡全部を、

好きなように使えるわけではない。

家を建てる平場。

駐車場。

犬を走らせる場所。

畑。

それぞれに、

使いやすい地形が必要になる。

面積が3000㎡でも、

実際に使いやすい場所が何㎡あるか

は別問題。

ここも、

土地を見るようになって初めて分かったことだった。


水道も電気も「そのうち付ければいい」ではない

そして、

インフラ。

この土地では、

水道や電気も簡単ではなかった。

私はそれまで、

土地を買ったあと、

必要なら水道を引いて、

電気も引けばいい。

くらいに考えていた。

でも。

距離。

工事。

費用。

道路。

土地の状況。

何もない場所へ、

生活インフラを持ってくるのは、

思ったより大ごとらしい。

土地450万円。

でも、

そこから住宅を建てて生活できる状態にするまで、

いくらかかる?

その数字は、

450万円とはまったく別だった。


「土地価格」と「暮らせる土地の価格」は違う

ここで、

かなり重要なことに気づいた。

安い土地を買えば、

安く家が建つ。

……とは限らない。

土地そのものは安い。

でも。

造成。

道路。

水道。

電気。

排水。

伐採。

それらにお金がかかるなら、

最初からインフラが整った土地を買ったほうが、

結果的に安い場合もある。

つまり、

見るべきなのは、

土地の販売価格ではなく、そこで暮らせるようになるまでの総額。

この頃から、

物件価格の横に、

見えない値札があるように感じるようになった。


「安い土地には理由がある」の意味

よく、

安い不動産には理由がある。

と言う。

それまで私は、

古い。

田舎。

不便。

それくらいの意味だと思っていた。

でも土地の場合、

もっと具体的だった。

接道。

傾斜。

インフラ。

造成。

建築条件。

広さだけ見れば魅力的でも、

そこへ住宅を建てるとなると、

別の問題が出てくる。

安いから悪い、ではない。

ただ、

安い理由を知らずに買うのが怖い。

ようやく、

そこが分かってきた。


山を買って開拓するの、思ったより大変では?

ここで、

少し冷静になる。

私は、

森の土地を買う。

木を残す。

家を建てる。

畑を作る。

薪を作る。

そんな暮らしを想像していた。

楽しそう。

今でも楽しそうだと思う。

でも。

道路まで自分で考える。

水も考える。

電気も考える。

造成もする。

家を建てる前に、

土地を「住宅を建てられる状態」にしなければならない。

……。

これ、かなり大変なのでは?

やっと気づいた。


だったら、最初から整っている土地は?

そして、

新しい疑問が出てくる。

道路がある。

水道がある。

電気がある。

管理されている。

そこに家を建てればいい。

そんな場所。

……。

別荘地では?

あれ?

数日前まで、

管理費がある。

規約がある。

面倒かも。

と思っていた管理別荘地。

でも、

何もない土地を一から開拓する大変さを知ると、

急に違って見えてくる。

管理費を払う代わりに、

道路がある。

水道がある。

ゴミの仕組みがある。

除雪もあるかもしれない。

それ、実はかなり便利なのでは?

人間、

比較対象が変わると、

評価も簡単に変わる。


私は「安い土地」ではなく「暮らせる土地」が欲しかった

この問い合わせで、

一つはっきりした。

私は、

土地を安く買うことが目的ではない。

森を所有することが目的でもない。

欲しいのは、

そこで犬猫と暮らして、

仕事をして、

冬を越して、

庭を作って、

毎日普通に生活できる場所。

つまり、

暮らせる土地。

それなら、

価格だけでは選べない。


3000㎡・450万円は、土地を見る目を変えた

この土地を、

実際に買うことにはならなかった。

でも、

私にとってはかなり大きな物件だった。

それまで、

広い。

安い。

森。

それだけでワクワクしていた私が、

この頃から、

道路。

水。

電気。

傾斜。

建築できるか。

そんなことまで、

セットで見るようになった。

「夢の土地」を探す目から、
「生活できる土地」を探す目へ。

少しだけ、

成長したのだと思う。


そして、管理別荘地をもう一度見る

何もない森を、

一から開拓する。

それも魅力的。

でも、

簡単ではない。

だったら、

すでに道路やインフラが整った別荘地の中で、

広い土地を探すのはどうだろう。

ここから私は、

一度見ていた那須の別荘地を、

また違う目で見るようになっていく。

最初は、

「管理費、高いな」

だった。

今度は、

「管理費を払えば、ここまでやってくれるの?」

である。

移住先探しは、

同じ場所を何度も回りながら、

少しずつ見え方が変わっていく。

まっすぐ進まない。

でも。

たぶん、

それでよかったのだと思う。

🌲🏠✨️