本文へ移動
Season 0|移住準備編

BESSってどんな家? 木の家と「暮らしを楽しむ」住宅ブランドを調べてみた

目次目次を閉じる

那須で家を建てることを考え始めた頃。

私はいろいろな住宅会社の施工例を見ていた。

森の家。

薪ストーブ。

大きな窓。

ウッドデッキ。

木をたくさん使った室内。

そんな写真を追いかけていると、

かなりの確率で出会う名前があった。

BESS(ベス)。

ログハウスの会社。

最初は、そのくらいの認識だった。

でも調べてみると、

どうやら少し違う。

BESSが作ろうとしているのは、単に「木でできた家」ではなく、

その家でどう遊び、どう過ごし、どう年を重ねるのかまで含めた暮らし

らしい。

これは、ちょっと面白い。


BESSは会社名ではなく、住宅ブランド

まず整理。

BESSは会社名そのものではなく、

株式会社アールシーコアが展開する住宅ブランド。

アールシーコアは1985年設立。

翌1986年、「ビッグフット」という名称で住宅事業を始め、ログハウスの販売をスタートした。

そして2008年、

ブランド名を

「ビッグフット」から「BESS」へ変更。

このときBESS自身も、

単なる住宅ブランドから、より広く**「暮らし」を提案するブランドへ転換した**と位置づけている。現在のアールシーコアは東証スタンダード上場企業で、自然派個性住宅の企画・製造・販売などを手がけている。

ちなみに現在の公式サイトでは、BESSという名前を

Bigfoot・Essential・Slowlife・Spirit

から来たものとして説明している。

自然体で、本質的で、ちょっと手間のかかるスローな暮らしを楽しむ。

そんな精神が名前にも込められているらしい。


BESSの考え方は「家は道具」

BESSを調べていて、

一番分かりやすいと思ったのがこれだった。

主役は家ではなく、人。

家は、自分らしく暮らすための大きな道具。

だから、

「傷をつけないように大切に使う新品の家」

というより、

使う。

触る。

手を入れる。

遊ぶ。

そんな前提で家を考えている。

これ、

一般的な住宅広告とはかなり雰囲気が違う。

新築住宅というと、

ピカピカ。

傷がない。

汚さない。

新品状態が一番きれい。

そんなイメージもある。

ところがBESSは、

時間が経った家にも価値がある

と考える。


「経年劣化」ではなく「経年愉化」

その考え方を表す、

BESS独特の言葉がある。

経年愉化(けいねんゆか)。

普通なら、

時間が経つ。

木が変色する。

床に傷がつく。

家が古くなる。

=経年劣化。

でもBESSでは、

木の色が変わることも、

傷がつくことも、

そこで過ごした時間や思い出が積み重なることも含めて、

家の味になっていく、と考えている。

これはかなり好きな考え方だった。

犬が床を引っかいた。

猫が何かやった。

DIYに失敗した。

薪を運んで壁にぶつけた。

……。

普通なら、

「あああ!」

となる。

でも、

10年後には、

それもその家の歴史。

犬猫と暮らす家には、妙に相性のいい思想な気がする。


BESSは、無垢材をかなり使う

BESSの家の大きな特徴のひとつが、

無垢の木。

公式サイトでも、

木をたくさん使うことをかなり前面に出している。

一方で、

無垢材はメンテナンスフリーではない。

塗る。

手入れする。

必要なら補修する。

手間はかかる。

BESSはそこを隠すというより、

手をかけることそのものも暮らしの一部

として扱っている。

つまり、

「できるだけ家に触りたくない」

という人より、

「休みの日にちょっと塗ろう」

「ここに棚を付けよう」

みたいな人のほうが、

たぶん相性がいい。

……。

夫、好きそうである。


効率だけを追いかけない家

もう一つ、

BESSを見ていて特徴的なのが、

一見すると“無駄”な場所が多いこと。

吹き抜け。

ロフト。

土間。

大きなデッキ。

縁側のような空間。

半屋外スペース。

住宅を、

「限られた床面積に必要な部屋を効率よく詰め込む箱」

としてだけ考えていない。

公式でも、効率一辺倒ではなく、楽しさや開放感を生む余白を重視している。

これも、

私がBESSの家に惹かれた理由のひとつだったと思う。

私はこの頃、

すでに、

家の外も暮らしの一部にしたい

と思い始めていた。

リビング。

デッキ。

庭。

ドッグラン。

森。

それを全部、

ゆるくつなげたい。

BESSの考え方は、

かなり近かった。


現在のBESSは「ログハウスだけ」ではない

BESS=ログハウス。

私は最初そう思っていた。

でも2026年現在、公式サイトに掲載されている主な住宅シリーズは6つある。

シリーズざっくりどんな家?
WONDER DEVICE四角い箱をベースに、大空間や吹き抜け、外とのつながりを楽しむ家
間貫けのハコ「間」や余白を楽しむ、少し和の空気を持った個性的な家
G-LOG なつ大きな三角屋根とログ壁。半屋外空間も楽しめるログハウス
COUNTRY LOG王道感のある木のログハウス
栖ログ小さな平屋+小屋裏+ログ。「平小屋」というコンパクトな暮らし
程々の家大屋根・土間・広縁などを持つ、落ち着いた和の木の家

こうして見ると、

ログハウスメーカーというより、「BESSらしい暮らし」をいろんな形の家で提案しているブランド

と考えたほうが近そう。


展示場まで普通の住宅展示場と違った

BESSでは、

展示場を

LOGWAY(ログウェイ)

と呼んでいる。

これも面白い。

普通の住宅展示場なら、

営業担当者と一緒にモデルハウスを回るイメージがある。

でもBESSでは、

受付後、基本的にスタッフが付き添わず、

自分たちで自由に家の中を歩いたり、

デッキで過ごしたり、

くつろいだりできる。

薪割りやDIYなどを体験できる場所もある。

つまり、

家を見るというより、そこでの暮らしを試す場所

という考え方。

これ、

一度行ってみたくなる。

住宅展示場へ行って、

ソファにちゃんと座っていいのか悩むタイプの私には、

「勝手にくつろいでください」

と言われるほうがありがたい。


薪ストーブとの相性も、かなりBESSらしい

そしてもちろん。

私がこの頃すっかり取り憑かれていた、

薪ストーブ。

BESSの施工例や暮らし紹介には、

薪ストーブがかなり頻繁に登場する。

単なるオプション設備というより、

火を囲む時間まで含めて、

BESSらしい暮らしの象徴のひとつになっているように見える。

さらにBESS推奨薪ストーブには、施工まで含めた賠償責任保険の仕組みも用意されている。

薪ストーブ初心者だった当時の私が、

BESSの施工例を延々眺めることになった理由が、

よく分かる。


木の家だから、メンテナンスは必要

ただし。

ここは、

「BESS素敵!」

だけで終わらせてはいけないところ。

木をたくさん使う。

外にも木を使う。

ということは、

手入れが必要。

塗装。

点検。

補修。

ログハウスなら、

ログ壁特有のメンテナンスもある。

BESS自身も長期的なメンテナンスを前提としていて、構造躯体・防水については、所定の定期メンテナンスを続けることで最長60年間の保証制度を用意している。ログ住宅には腐朽保証もある。

つまり、

何もしなくてもずっと新品みたいな家

を目指しているブランドではない。

むしろ、

手をかけながら、

長く付き合う。

そこまで含めてBESS。

この部分は、

好き嫌いがかなり分かれそう。


那須で「定住」するなら、性能は個別に確認したい

私の場合、

ここはかなり重要。

欲しいのは、

週末だけ遊びに行く別荘ではない。

一年中暮らす家。

那須の冬を越す。

仕事もする。

犬猫もいる。

だから、

BESSだから暖かい。

ログハウスだから暖かい。

といったイメージだけで決めるのは危ないと思った。

実際に検討するなら、

建築地に適用される仕様。

断熱。

窓。

暖房。

UA値などの性能。

薪ストーブ以外の暖房計画。

そこは個別に確認したい。

BESSは全国展開していて、地域によって建築仕様や価格区分も設定しているので、那須のような場所で定住住宅として建てるなら、最寄りのLOGWAYで具体的な仕様を確認するのがよさそう。


値段は「表示価格=完成総額」ではない

そしてもうひとつ。

家の価格。

BESS公式では各シリーズにモデルプランの価格が掲載されている。

でも、

当然ながら、

その数字だけで家が全部完成するとは限らない。

土地。

地盤。

造成。

水道。

排水。

外構。

申請。

希望する仕様変更。

土地固有の工事。

そういうものは、

建築地によって変わる。

那須で土地探しをして、

水道だの接道だの造成だのを知ったばかりの私には、

もう分かる。

家の本体価格だけ見てはいけない。

少し成長している。


どんな人に向いていそう?

BESSを調べてみて、

向いていそうなのは、

「新築のきれいな状態をずっと維持したい人」

というより、

家を使って遊びたい人

だと思った。

庭へ出る。

薪を割る。

DIYする。

デッキでごはんを食べる。

木の傷も少しずつ味になる。

家を、

完成品として眺めるのではなく、

暮らしながら育てる。

そういうことに楽しさを感じる人。

逆に、

とにかくメンテナンスを減らしたい。

家事効率最優先。

木の色の変化や傷が気になる。

自分で家に手を入れることには興味がない。

という人には、

相性をよく確認したほうがよさそう。


私がBESSに惹かれた理由も、少し分かった

調べ終わって、

改めて思った。

私は、

ログハウスが欲しかったわけではない。

BESSというブランドに、

絶対に住みたかったわけでもない。

惹かれていたのは、

その中にあったもの。

木。

薪ストーブ。

深い軒。

外とつながる空間。

手を入れる余白。

そして、

家を完成させて終わりではなく、暮らしながら育てるという考え方。

それだった。

少し前に私は、

家や庭を

「終わらないプラモデルみたいに作っていきたい」

と考えていた。

BESSを調べてみると、

どうやらかなり近い方向を、

ずっと前から住宅として形にしていたらしい。

そりゃ、

刺さるわけである。


そして、特に気になった二つの家

BESSには、

かなり個性的な家がいくつもある。

その中で、

今の私が改めて詳しく見てみたいと思ったものが二つある。

ひとつは、

「程々の家」。

深い軒。

広縁。

土間。

大屋根。

内と外の境目が曖昧な、

落ち着いた木の家。

そしてもうひとつが、

「栖ログ」。

小さな平屋をベースに、

家だけを大きくするのではなく、

外の空間まで使って暮らす家。

同じBESSなのに、

この二つはかなり違う。

そして、

どちらにも、

今の私が家づくりで気になっているものがある。

ということで、

次はまず、

BESS「程々の家」って、どんな家なのか。

もう少し詳しく調べてみようと思う。