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2026年8月8日。
那須の物件を、
かなり見るようになっていた。
那須高原。
避暑地。
森。
別荘。
なんとなく、
那須なら夏は涼しい。
そんなイメージがあった。
東京よりは、
きっと涼しい。
山もあるし。
高原だし。
ところが、
物件をひとつずつ見ているうちに、
気づいてしまった。
**同じ那須でも、
標高が全然違う。**
そして、
標高が違えば、
暮らしもかなり変わるのでは?
ここから、
物件を見るときに、
「標高」という項目が追加された。
「那須」というだけでは分からない
那須の物件サイトを見ると、
どれも同じように見える。
木立。
山。
ログハウス。
別荘。
緑。
でも、
地図を見ると、
場所によって、
山の高さがかなり違う。
比較的低いところもあれば、
どんどん山を登った先にある物件もある。
標高500m。
700m。
900m。
1000m近く。
全部、
「那須高原の物件」
として出てくることがある。
いやいや。
それ、
暮らし、
かなり違うのでは?
と思い始めた。
標高が高いほど、夏は涼しくなりやすい
一般に、
標高が上がるほど、
気温は下がる。
目安としては、
100m上がると、
気温がだいたい0.6℃くらい低くなる、
と言われることが多い。
単純計算すると、
標高100mの場所と、
標高900mの場所では、
800m差。
気温差は、
ざっくり5℃前後になる可能性がある。
5℃。
かなり違う。
東京で35℃の日に、
30℃くらい。
もちろん、
実際の気温は、
日当たり。
地形。
風。
湿度。
森林。
盆地かどうか。
いろいろな条件で変わる。
それでも、
標高は夏の快適さを見る大きなヒントになる。
これは、
かなり重要だった。
標高950m。涼しそう!
ちょうどこのころ、
那須のつつじヶ丘周辺の物件を見ていた。
調べてみると、
標高は、
ざっくり900m台。
場所によっては、
950m前後ありそう。
おお。
涼しそう。
夏、
めちゃくちゃ良さそう。
鳥もいそう。
森もある。
窓を開けたら、
涼しい風。
夜は、
東京とは全然違う。
そんな暮らしを想像する。
その瞬間は、
かなり魅力的だった。
でも。
少し考える。
**夏が涼しいということは、
冬はどうなる?**
高ければ高いほどいい、ではなかった
土地探しを始めたころの私なら、
たぶん、
こう考えたと思う。
標高が高い。
↓
涼しい。
↓
最高。
でも、
だんだん、
そう単純ではないと気づいてきた。
冬の寒さ。
凍結。
積雪。
道路。
水道管。
雪かき。
車。
日陰の凍結。
朝晩の冷え込み。
夏の快適さを上げようとすると、
冬の難易度まで上がってくる。
ゲームの設定、
うまくできている。
「避暑地」と「定住地」は少し違う
ここで、
別荘地ならではのことも考えた。
夏だけ使うなら、
標高1000mでも、
かなり魅力的だと思う。
暑い東京から逃げて、
森の中へ。
秋になったら、
東京へ戻る。
冬は、
別荘を閉めておく。
これなら、
高い標高のメリットを、
かなり享受できる。
でも、
私たちが考えているのは、
基本的には、
一年中暮らすこと。
冬もいる。
雪の日もいる。
寒波の日もいる。
となると、
「夏が最高」
だけでは決められない。
**避暑地として最高な場所と、
定住地として快適な場所は、
必ずしも同じではない。**
これも、
土地探しをしていて気づいたことだった。
私は雪国へ移住したいわけではない
私は、
夏の暑さが苦手。
だから、
高原暮らしには、
かなり惹かれる。
でも。
雪かきを毎日したいか?
と言われたら、
したくない。
道路が凍って、
外に出られない生活がしたいか?
と言われたら、
それも違う。
景色として見る雪は、
好き。
家の中から、
「きれいだね」
と眺めたい。
でも、
朝5時から、
雪かき。
それは、
私の求める田舎暮らしではない。
つまり、
欲しいのは、
**夏は涼しい。
でも、
冬は極端すぎない。**
そんな場所。
また、
条件が難しくなった。
では、何メートルがちょうどいい?
そこで、
物件を見るたびに、
標高を調べるようになった。
500m。
少し涼しそう。
600m。
いいかも。
700m。
かなり高原っぽい。
800m。
夏は良さそう。
900m。
冬、大丈夫?
1000m。
これはもう、
ちゃんと冬装備が必要では?
そんなふうに、
自分の中で、
なんとなく感覚ができていった。
この時点では、
まだ、
「○○mが正解!」
とまでは決めていない。
でも、
少しずつ、
**標高600〜800mくらいって、
かなりバランスがいいのでは?**
と思い始めていた。
のちに、
私の土地探しでは、
このあたりが、
かなり重要なゾーンになっていく。
高原だから涼しい、ではなく「その土地の標高を見る」
それまで私は、
地名で判断していた。
那須。
軽井沢。
蓼科。
八ヶ岳。
高原っぽい。
涼しそう。
でも、
同じ市町村の中でも、
標高はかなり違う。
山の麓。
盆地。
斜面。
高原。
それぞれ違う。
だから、
「那須だから涼しい」
ではなく。
**この物件は、
標高何メートル?**
を見る。
これが、
だんだん習慣になっていった。
そして標高だけでも決まらない
さらに、
調べれば調べるほど、
標高だけでも決められないことが分かる。
南向きで、
日当たりが良すぎる。
西日が強い。
風が抜ける。
森に囲まれている。
谷底。
尾根。
盆地。
湿気が多い。
同じ標高でも、
体感は違う。
つまり、
標高は、
すごく重要。
でも、
万能ではない。
土地探し。
ひとつ分かると、
また確認項目が増える。
夏と冬、どっちを優先する?
このころ、
かなり悩んでいた。
夏の快適さを取って、
高い場所へ行くか。
冬の暮らしやすさを取って、
少し低い場所にするか。
私は、
東京で夏に苦しんでいる。
だったら、
多少冬が寒くても、
夏を優先したい。
でも、
夫婦ともに、
毎日車で雪山を走りたいわけではない。
なら、
高すぎない高原。
山の上ではなく、
山裾。
ここが、
だんだん気になり始めた。
「山頂」ではなく「山裾」がいいのかもしれない
標高が欲しい。
でも、
高すぎるのは困る。
山が見たい。
でも、
山奥すぎるのは困る。
森も欲しい。
でも、
生活インフラも欲しい。
そう考えると、
私が探しているのは、
山の上ではなく、
山裾の高台
なのかもしれない。
標高600〜800mくらい。
集落の端。
少し上がった場所。
後ろに森。
前は開けている。
道路はある。
宅配も来る。
夏は比較的涼しい。
冬も、
なんとか暮らせる。
また、
理想の土地の輪郭が、
少し見えてきた。
物件サイトを見るとき、標高を検索するようになった
ここから、
私の物件探しは、
また面倒になる。
気になる家を見つける。
住所を見る。
地図を見る。
標高を調べる。
周囲を見る。
道路を見る。
冬を見る。
夏を見る。
さらに、
森を見る。
自治会を見る。
水道を見る。
土地探し、
完全に、
物件写真だけでは終わらなくなった。
そして。
以前なら、
「那須高原!
いいじゃん!」
で終わっていたところが、
今では、
「那須のどの高さ?」
になる。
人間、
数週間で、
だいぶ細かくなる。
涼しい場所を探していたら、「ちょうどいい高さ」を探す旅になった
この日の時点では、
まだ、
答えは出ていなかった。
標高950mのつつじヶ丘も、
かなり魅力的だった。
夏の快適さだけなら、
かなり惹かれる。
でも、
一年中暮らすなら、
もう少し低くてもいいかもしれない。
500mでは、
少し物足りない?
700mなら?
800mなら?
こうして、
私の土地探しには、
新しい基準が加わった。
広さ。
眺望。
接道。
インフラ。
そして、
標高。
那須なら、
どこでも同じだと思っていた。
全然違った。
そしてこの先、
私は物件を見るたびに、
標高を調べる人になる。
その結果、
最終的にかなり惹かれていくのが、
標高600〜800m前後の山裾。
このころはまだ、
そこまでは知らない。
ただ、
「高すぎても大変なんだな」
と、
ようやく気づき始めたところだった。



