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2026年8月7日。
有楽町のふるさと回帰支援センターへ行って、
自治会の話を聞いた。
田舎の集落では、
地域との付き合いが思っていた以上に大事になること。
災害時や雪の日など、
普段から助け合う前提で暮らしている地域もあること。
それを聞いて、
私はそれまで少し避けていた、
別荘地
を見直し始めた。
道路。
ゴミ。
除雪。
水道。
そういう面倒な部分を、
管理費を払って管理してもらえるなら、
むしろ私たちには合っているのでは?
そんなことを考え始める。
そして、
別荘地の物件をもう一度見ていて、
ふと思った。
……3000㎡もいらなくない?
ついこの前まで、土地は広いほどいいと思っていた
土地を探し始めたころ。
500㎡。
約150坪。
東京なら、
ものすごく広い。
最初は、
これくらいあれば十分だと思っていた。
ところが、
犬を走らせたい。
畑をやりたい。
果樹を植えたい。
木も欲しい。
薪棚。
小屋。
森。
そんなものを追加していった結果、
500㎡では足りない。
1000㎡。
2000㎡。
とうとう、
3000㎡くらいあってもいいのでは?
となっていた。
土地探しを始めて、
まだそんなに経っていない。
それなのに、
希望面積だけが、
ものすごい勢いで成長していた。
でも、本当に3000㎡を使う?
3000㎡。
約900坪。
数字だけ見ると、
ワクワクする。
広い。
犬は走り放題。
畑もできる。
果樹も植えられる。
木もたくさん残せる。
でも、
少し冷静になって考えた。
その900坪、誰が管理するの?
当然、
私たちである。
草。
落ち葉。
枝。
木。
雪。
境界。
広ければ、
そのぶん管理する場所も増える。
3000㎡すべてを、
きれいな庭にする必要はない。
それでも、
完全放置というわけにもいかない。
土地は、
広ければ広いほど、
自由になる。
でも同時に、
やることも増える。
ここへ来て、
ようやくその現実が見えてきた。
ドッグランって、そこまで巨大じゃなくていい
土地を広く欲しかった理由のひとつが、
犬だった。
せっかく田舎へ行くなら、
自由に走らせたい。
広いドッグランが欲しい。
でも、
よく考えてみれば、
犬用に1000㎡も必要なわけではない。
家の近くに、
150㎡。
200㎡。
300㎡。
そのくらいのスペースがあれば、
かなり広い。
家の周りを回れるようにしてもいい。
庭とつなげてもいい。
人間の住宅地として考えれば、
それだけでも十分すぎるくらい。
なのに、
2000㎡、3000㎡の土地ばかり見ていると、
感覚がおかしくなる。
「犬用に300㎡くらい」
が、
普通に聞こえてくる。
東京にいたころの私は、
どこへ行った。
家庭菜園も「小さくていい」
畑についても、
考え方が変わった。
最初は、
せっかく田舎へ行くなら、
いろいろ育てたいと思っていた。
トマト。
ナス。
きゅうり。
じゃがいも。
ハーブ。
ブルーベリー。
もしかしたら、
もっと本格的な畑も。
でも、
毎日の暮らしとして考えると、
自宅のすぐ近くに欲しいのは、
家庭菜園くらいでいいのでは?
と思い始めた。
夕飯の前に、
トマトを取る。
ハーブを少し切る。
ブルーベリーを摘む。
それくらいなら、
巨大な農地はいらない。
むしろ、
家から近くて、
水をやりやすくて、
手入れしやすいほうがいい。
畑まで広ければ広いほどいい、
というわけではなかった。
本格的にやりたくなったら、農地を借りればいい
そして、
ここで出てきたのが、
かなり大きな発想だった。
本格的な畑がやりたくなったら、別に借りればいいのでは?
自宅の土地に、
何もかも入れる必要はない。
家。
犬。
小さな畑。
果樹。
木。
それだけを、
自宅の敷地に置く。
もっと大きな畑が必要になったら、
近くの農地を借りる。
これなら、
自宅用地を無理に3000㎡にする必要がない。
私はそれまで、
「欲しい暮らしを全部、
自分の土地の中へ収めなければ」
と思っていた。
でも、
そんなルールはない。
暮らしは、
敷地境界線の中だけで完結しなくてもいい。
この発想で、
一気に土地探しが楽になった。
900㎡くらいの別荘地が急によく見えてきた
それまでなら、
900㎡の土地を見ると、
「ちょっと狭いかな」
と思っていた。
約270坪。
冷静に考えれば、
十分広い。
でも、
2000㎡。
3000㎡。
という土地を見続けたせいで、
900㎡が小さく見えていた。
おかしい。
東京なら、
豪邸が建つ面積である。
そこで、
900㎡くらいの別荘地を、
改めて見てみた。
家。
駐車場。
ドッグラン。
家庭菜園。
数本の果樹。
木を残す場所。
……。
普通に入るのでは?
と思った。
もちろん、
土地の形や傾斜にもよる。
でも、
平らな場所が多くて、
使いやすい900㎡なら、
十分楽しめそうだった。
「広さ」より「管理できるか」
土地探しを始めたころ、
私は、
広さを、
夢の大きさみたいに考えていた。
広ければ、
いろいろできる。
もっと広ければ、
もっと自由。
でも、
実際に暮らすことを考えると、
大事なのは、
どこまで自分たちで維持できるか。
草刈り。
庭仕事。
雪。
木の手入れ。
年を取ってからも、
管理できるのか。
そこまで考えると、
3000㎡より、
1000㎡前後のほうが、
むしろ使いやすいかもしれない。
広すぎる土地を持って、
ほとんど使わず、
管理だけ大変。
それでは、
何のために広い土地を買ったのか分からない。
800〜1500㎡くらいが、急に現実的に見えてきた
こうして、
希望する土地の面積が、
少しずつ変わった。
3000㎡。
↓
2000㎡。
↓
1000㎡前後。
だいたい、
800〜1500㎡くらい。
このくらいなら、
かなり広い。
でも、
持て余すほどではない。
家も置ける。
犬も走れる。
庭も作れる。
小さな畑。
果樹。
木も残せる。
そして、
別荘地なら、
道路やインフラが整っている場所もある。
「広いだけの土地」ではなく、
暮らしやすい広さの土地。
ようやく、
そんな見方をするようになった。
土地の希望が縮んだのに、夢は縮んでいなかった
面白いことに、
土地の希望面積は縮んだ。
でも、
やりたい暮らしは、
ほとんど減っていない。
犬。
庭。
果樹。
畑。
森。
薪ストーブ。
外で過ごす場所。
欲しいものは、
相変わらず多い。
違ったのは、
全部を、
巨大な土地で解決しようとしなくなったこと。
自宅の土地には、
自宅に必要なものだけ。
本格的な畑は、
別に借りてもいい。
森が欲しければ、
敷地全部が森でなくてもいい。
土地を所有することと、
暮らしを楽しむことを、
少し分けて考えられるようになった。
大きければいい、から「ちょうどいい」へ
移住を考え始めると、
つい、
東京とは正反対のものが欲しくなる。
東京では土地が狭い。
だから、
田舎では、
とにかく広く。
そんな気持ちも、
あったのかもしれない。
でも、
広さそのものが目的ではない。
欲しいのは、
犬が走れること。
木があること。
鳥が来ること。
庭でお茶が飲めること。
野菜を少し作れること。
そういう暮らし。
なら、
必要なのは、
巨大な土地ではなく、
その暮らしが気持ちよく入る広さ。
このころから、
私はようやく、
「広い土地」
ではなく、
「ちょうどいい土地」
を探し始めた。
そして、
土地を小さく考えられるようになると、
また別の選択肢が見えてくる。
畑は、
自宅の土地になくてもいい。
だったら、
近くで借りればいい。
次に考え始めたのは、
「本格的な畑は借りる、ってアリ?」
ということだった。



